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旅の楽しみといえば、だんぜん“食”ですよね。特に、その土地ならではのご当地グルメには、心躍るものがあります。全国各地、いろいろなご当地グルメがありますが、なかでも沖縄はご当地グルメの宝庫。ゴーヤーチャンプルーや沖縄そばといえば、「聞いたことある」という方も多いはず。そんな沖縄の郷土料理を楽しみたいなら、大衆食堂がおすすめです。とはいっても、大衆食堂の多くは、古めかしい外観、怪しげな佇まいなど、沖縄ビギナーには、ちょっぴり敷居が高そうですがご心配なく。コスパがよく、誰でも歓迎してくるので、気軽にランチや夕食に利用しましょう。そして沖縄の大衆食堂の醍醐味といえばメニュー札。「さっぱり見当がつかない料理名」「注文すると思っているものとまるで違う料理が来た」など、思わずツイートしたくなるネタがてんこもりなのです。
ということで、今回は、大衆食堂の不思議で奥の深い料理をご紹介します。

ちゃんぽん(みかど風)600円。コンビーフハッシュを使い全体的にアジクーター(濃い味)に仕上げています

多くの人が長崎ちゃんぽんを思い浮かべると思います。しかし、沖縄では、玉子を絡めた野菜炒めがご飯の上にのった料理のことで麺料理ではありません。中華丼に近いといってもいいかもしれません。具にはキャベツやニンジン、タマネギに加え、ポークランチョンミートもしくは豚肉など。塩とダシで味を整えた野菜炒めの汁がご飯に染み込み箸がどんどん進みます。

おかず600円。米軍基地が近く多国籍な客層のため、この店では具材がエビやチキンなど6種類選べます

あまりにも抽象的すぎて、どんな料理なのかまったく不明。チャレンジ精神旺盛な人向けのメニューです。どんな料理かネタバレすると、野菜炒めを中心としたものです。野菜炒めに玉子焼きを載せたり、ウインナーを添えたりお店によってさまざまです。最近では使う具材によって「○○○おかず」と表示するお店が増えてきました。例えば、牛肉入りの野菜炒めの場合は、「牛肉おかず」となります。

具だくさんのみそ汁500円。沖縄のみそ汁は“飲む”ではなく“食べる”といわれる由縁

リーズナブルな料理が多い沖縄の大衆食堂にあって、ひと際目を引く「みそ汁500円」の文字。「やけに高いな」と思いますが、実物を見たら納得。お椀ではなくドンブリに青菜類、根菜類に豚肉、豆腐がたっぷり。これ1杯で1日の栄養が取れるのではと思うほど。豚肉の脂が味噌に馴染み、味もしっかり。沖縄のみそ汁は、添え物ではなく立派なおかずなのです。

見た目よりさっぱりした味付けのスキヤキ650円。カウンターにマーガリンがあり自ら調味できるのがユニーク

白菜、シラタキ、牛肉、豆腐と具材のラインナップは至ってスタンダード。味付けも甘辛の割り下で調味するなど、こちらも沖縄県外のすき焼きとほぼ同じ。唯一違う点といえば、これらの具材が鍋ではなく、平皿に盛り付けられてでてくること。そう、沖縄ではすき焼きは鍋物ではないのです! 具材の真ん中には生卵が落とされていて、これに具を絡めながら食べます。これなら一人すき焼きも気兼ねなくできそうですね。

ほね汁650円。この店のスープは味噌ベースで濃厚で豪快な豚汁のような趣。肉は骨離れがよく食べやすいのも◯

沖縄ではブタは「鳴き声以外食べ尽くす」といわれるほど、各部位を余すことなく料理に使用します。骨も例外ではありません。肉が付いたままの豚の背骨をじっくり煮込み、骨から染み出たエキスが、スープと豚肉に染みわたります。その濃厚な風味み魅了される人が後を絶ちません。お行儀は気にせず、手で骨を持ち、むさぼりつくように食べるのがコツ!

客の50%はオーダーするというCランチ550円。巨大トンカツの存在感がスゴイ

沖縄の食堂では朝でも夜でもオーダーできるランチメニューがあります。Cランチはそのうちのひとつ。トンカツや玉子焼き、サラダ、野菜、ライスがひと皿にのるプレート料理で、ボリュームの割に安く各店舗の人気メニューとなっています。ちなみにA、B各ランチも存在し、どちらもCランチよりもおかずの種類が増え料金もその分高くなっています。

やきそば600円。沖縄そば専門店だけあって麺はしっかり力強い中太麺。モヤシも入って心地のいい歯ごたえ

沖縄そばの麺を使い、ソースではなくケチャップで味付け。見た目は完全にスパゲティナポリタンですが、麺が太めなので食べごたえがあるのが特徴です。具はキャベツやタマネギのほか、ポークランチョンミートを使うのも沖縄らしさ全開です。

ここで紹介した料理はほんの一部です。まだまだ未知なるメニューがありますので、大衆食堂へ気軽に出かけ、よくわからないメニューに果敢にチャレンジしてみてください。
また、上記で紹介した焼きそば以外には、ご飯がセットされています。くれぐれも別注文でご飯をオーダーしないようご注意下さい。

  • ちゃんぽん

    お食事処みかど(おしょくじどころみかど)
    電話番号:098-868-7082/住所:沖縄県那覇市松山1-3-18/行き方:ゆいレール県庁前駅から徒歩7分/営業時間:24時間/定休日:母の日/Pなし

  • おかず

    大衆食堂ミッキー(たいしゅうしょくどうみっきー)
    電話番号:098-939-9663/住所:沖縄県沖縄市中央3-1-6/行き方:沖縄南ICから2km/営業時間:11時頃-21時頃/定休日:日曜/Pなし

  • みそ汁、すき焼き

    お食事処 三笠(おしょくじどころ みかさ)
    電話番号:098-868-7469/住所:沖縄県那覇市松山1-3-17/行き方:ゆいレール県庁前駅から徒歩7分/営業時間:24時間/定休日:無休/P5台

  • 骨汁

    グランド食堂(ぐらんどしょくどう)
    電話番号:098-932-8996/住所:沖縄県沖縄市上地3-11-1/行き方:沖縄南ICから600m /営業時間:11-21時/定休日:金曜/Pなし

  • Cランチ

    軽食の店 ルビー(けいしょくのみせ るびー)
    電話番号:098-868-1721/住所:沖縄県那覇市泊3-4-15/行き方:ゆいレール美栄橋駅から徒歩15分/営業時間:10-24時/定休日:無休/P15台

  • 焼きそば

    花織そば(はなういそば)
    電話番号:098-958-4479/住所:沖縄県読谷村波平2418-1/行き方:石川ICから15km/営業時間:11時-21時30分LO/定休日:水曜/P50台

PROFILE 伊東 一洋(KAZUHIRO ITO)

北九州市出身。平成元年、琉球大学入学を機に沖縄へ。卒業後、地元出版社などを経て(株)トラベローグを設立。“超ロングステイの観光客”として観光、地元両面からの視点を心がけている。来沖前は、かなりの偏食体質だったが、沖縄の大衆食堂と居酒屋に鍛えられ、今ではヤギからイラブー(ウミヘビ)までなんでも食べられるようになった。

 
本ページ内掲載の内容は2014年10月現在のものです。
ご利用の際はご注意ください。

 

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